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zoom RSS 古典文学探訪11 「一寸法師」

<<   作成日時 : 2007/05/24 23:59   >>

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 「竹取物語」はちいさ子伝説の一つですが、それに関連して前田晴人氏が書かれた新書「桃太郎と邪馬台国」を読み直しています。氏はその本でちいさ子伝説の一つである「一寸法師」について論じています。前田氏とは前の職場でご一緒させていただいた先生で、古代史の研究家であり、著書も少なくありません。邪馬台国は大和にあったという説を唱えておられますが、その博識で専門的な知識と鋭さにはうならせられるばかりです。
 前田氏は「一寸法師」の話の原型は住吉の神にまつわる祭儀神話であり、それが鬼退治という具体的な物語に変えられ、さらに一寸法師の婚姻譚、出世話になったのだと推定しています。氏は住吉神の託宣によって神功皇后のお腹に宿り、長い間かかって生まれた応神天皇と、住吉神のおかげで生まれた一寸法師との共通性にまで踏み込んで、応神天皇や仁徳天皇の陵墓が大阪平野にある伝承の由来を、住吉神との関連で説明しています。本の中では一寸法師や住吉大社の祭儀、日本神話についてかなり 詳しい論証がなされており、細部にわたって書けないのが残念です。桃太郎や浦島太郎についても論じておられ、邪馬台国とも結びついた興味ある内容の本なので、一読をお勧めします。
 「一寸法師」は「御伽草子」の中に入っている話ですが、かぐや姫と違って、いつまでも小さいままです。親に化け物扱いされて疎まれ、自分の方から家を出て行くという展開になるところがありますが、確かに小さいものが受けるいわれなき差別です。しかし、子供が十二、三才になっても一寸しかないというのですから、親がそう思ってもある意味仕方なく、人間的ではあります。人間的と言えば、一寸法師が自分が好きになった姫君を家から追い出して、自分がお供しようと思って、姫君が寝ている間に口に米粒をつけて、姫君が盗み食いをしていたように、姫君の父親に思わせるのです。一寸法師が策略、それも何の罪もない者に対してそういうことを行うのですから、正義の味方らしくありませんが、かえってそれだからこそ、人間くさいと言えるのであって、単なる昔話を超えたドラマであり、文学的だとも私には思えるのです。
「竹取物語」でも精巧にできた蓬莱の玉の枝を持ってきたくらもちの皇子に対して、かぐや姫は胸がつぶれてしまうと描写されていますし、偽物を作った鍛冶職人たちが現れて皇子の嘘がばれて、かぐや姫が晴れ晴れとした気持ちになるというところも、普通の女性と変わりなく、人間的な描かれ方です。月に帰らなければならないと彼女が思い嘆くところも同様です。

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