関ヶ原の残党、石田世一の文学館

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zoom RSS 石田三成の実像1425 橋本章氏の講演会3 水主増吉氏と徳富蘇峰氏の三成評

<<   作成日時 : 2015/07/09 11:14   >>

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写真は三成の生誕地にある、三成のことを詠んだ西郷隆盛の漢詩の碑を昨年の三成祭の時に撮ったものです。この漢詩は橋本章氏の講演会「石田三成の世評と語られる関ヶ原の戦い」でも取り上げられ、結句(四句目)で水戸光圀が三成のことを評価していたと歌われています。橋下氏は、この漢詩は幕末の江戸城の無血開城前後に詠まれたものだと説明されていました。
 橋本氏の講演会では、江戸時代には三成は謀叛人としてさんざんな扱いをされてきた(光圀は稀有な例)のに対して、明治時代になると一転して、三成は忠義の武将として復権すると述べられていました。その例として、水主増吉氏と徳富蘇峰氏の記述が紹介され、復権に一番大きな影響を与えたものが、渡辺世祐氏の「稿本石田三成」だと指摘されていました。このうち、水主氏は次のように記しています。
 江戸時代には「三成の為に其冤罪を雪ぐものあるなし」であったのに対して、「島津毛利等当時三成に与して豊臣氏の為に戦ひたる巨族俊豪の子孫が、当年の難敵家康の末裔徳川幕府を覆滅して」「以て王政維新の今日を現出せんとは、是れ請ふ所の天運循環なるものに非ずや、三成にして識るあらば地下夫れ或は一笑して瞑目せん歟(か)」と。
 こういう記述について、「大関ヶ原展」の図録の中の橋本氏の「石田三成の人物像をめぐる言説」には、「戊辰戦争が関ヶ原の復讐戦であり、王政復古はあたかも石田三成が企図したかのように描かれている点が興味深い」と記されています。
 水主氏の「天運循環」という見方に対しては、私も以前、三成のことを詠んだ連作短歌「無念、関ヶ原」で、次のような歌を作ったことがあります。
 「薩長の力によりて江戸幕府倒れたるとは歴史の回帰か」
 
 徳富蘇峰氏については「関ヶ原に臨む三成の気概について『真に家康を相手として、天下を争はんとしたる気魄のある者は、只だ石田三成のみであった』とし、三成にとって関ヶ原の一戦は敗れてもなお名誉であったと評し」、「徳川(水戸)光圀だけが『一隻眼を具へてゐた』として、光圀の石田三成に対する評を紹介している」と述べられていました。
 講演会では史料として、その光圀の三成評の部分も取り上げられていました。すなわち、「石田治部少輔三成はにくからざる者也、人各其主の為にすといふ、義にて心を立事を行ふ者、敵也ともにくむべからず、君臣共に能可子心得事也」と。
 もっとも、光圀のこの評価は、一人歩きしているきらいがあるものの、真田幸村(信繁)や明智光秀、由井正雪などの対比の中でなされたものだと指摘されていましたが。 

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
先日、私も京都の大関ヶ原展に行ってきました。
平日だったのでそこまでは混み合ってなくて比較的ゆっくり
見ることができました。
書状などが、なかなか興味深かったです。
薩長に関しては天運循環という見方が出来るかもしれませんが、
三成に関しては関係ない気がします。
島津と毛利がはたしてどれくらい三成に協力して豊臣のために
戦ったのだろうかということを考えると。
三成の子孫は津軽ですし。
歴史上の人物や出来事は、その時代によって都合よく解釈され、
上げられたり下げられたりするので、それに惑わされると
本質を見誤ってしまうので注意が必要だなと思います。
杏奈
2015/07/09 18:34
杏奈さん、コメントありがとうございます。
大関ヶ原展、ゆっくり鑑賞されたのは何よりでしたね。講演会がなければ、私も平日に行ったのですが。
天運循環という見方は三成には関係ないというご意見、歴史上の人物などは時代によって都合良く解釈されるというご意見、もっともだと思います。私もいろいろ考えさせられました。杏奈さんの貴重なご意見は、拙ブログ記事でも紹介させていただきたいと思っています。
石田世一
2015/07/10 21:57

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