漫画探訪2 アンパンマン分析2 甘くて弱い正義の味方

 アンパンマンは他のヒーローと違って、絶対的に強いという存在ではなく、武器も持ちませんし、悪をやっつけるためには「アンパンチ」という腕力を使うだけです。アンパンでできているだけに、甘くて弱い部分があり、バイキンマンにすぐだまされてしまいますし、自分の顔をちぎって子供に食べさせると、力が落ちて別の顔をジャムおじさんに作ってもらう必要がでてきます。子供たちに自分の顔をちぎって食べさせるのは、自分を犠牲にして、人のために尽くすという博愛精神のあらわれですが、人を助ける代わりに自分が弱くなるという設定は、作者の戦争体験に基づくことを、昨年の新聞記事で私は初めて知りました。
 作者のやなせたかし氏は中国に兵士として行き、常にしごかれて腹ペコ状態であり、作者の弟は人間魚雷「回天」の隊員として戦死しました。そういう体験から、一方的に相手をたたきのめす絶対の正義はありえないし、自分が傷つかないまま人を助けることもできないと思ったそうです。
 バイキンマンも決して死ぬことはなく、また次の回に現れて、悪いことをします。バイキンマンは、その名の通り病気の象徴であり、人間は病気を治すことによって、健康な体を回復しますが、また新たな病気が行く手に待ち受けており、病気との闘いが人間の一生なのです。アンパンマンとバイキンマンの戦いは、そういうことを物語っていると言えます。

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