漫画探訪13 横山光輝の世界1 「伊賀の影丸」

 今、横山光輝が描いた「三国志」全60巻を読み直しています。漢の終わりから三国時代までの、各地の武将たちの活躍と、その複雑な動きを丹念に描いた壮大なドラマであり、息を呑む展開に引き込まれてしまいます。
 横山光輝は後半生は中国の歴史を舞台にした漫画をたくさん描きましたが、私が子供の頃には「鉄人28号」と「伊賀の影丸」に夢中になりました。特に後者の忍者漫画には多大の影響を受け、自分でも忍者を題材にした漫画を描いていた時期もあります。「影丸」に似た「陽炎(かげろう)」というキャラクターを生み出したのですが、佐々木小次郎のような髪型で、顔は影丸よりも少し長めで、目を大きくしてさらに中に小さな丸を二つつけて後の部分は黒く塗りつぶしていました。むろん、影丸のような忍者の格好であり、敵のキャククターもいろいろ拵えましたが、所詮は「伊賀の影丸」の真似に過ぎませんでした。
 「伊賀の影丸」は頭領の服部半蔵に命じられて、幕府に楯突く忍者たちを倒しに行くのですが、忍者たちが自分の持つ得意技を繰り出して、相手と戦う場面が最大の見せ場でした。影丸側と敵側のグループ同士の戦いですが、漫画雑誌に連載されていた時、最初に登場人物の名前と絵が付いており、前回までに殺された人物にはバツが付けられており、それが妙にリアルだったのです。殺されるのは敵方だけではなく、影丸側にも犠牲者が出て、敵を全滅させた時には影丸側も何人か死んでいました。そのあたりが普通の正義と悪の戦いを描いた漫画と違う点であり、妙な生々しさがありました。忍者の悲哀も感じられますし、彼らは一人の戦闘要員の一人に過ぎず、消耗される存在だということを物語ってもいます。しかし、子供心には、それほど深い意味は考えず、単純に忍者同士のスリル満点の戦いを楽しんでいました。
 「伊賀の影丸」の得意技は木の葉隠れであり、木の葉を一杯宙に舞わせている間に姿をくらますというものですが、木の葉にはしびれ薬が仕込まれており、風下にいる忍者はその葉にやられてしまいますから、木の葉は大きな武器でもありました。

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