韓国ドラマ探訪74 「ファッション70s」 朝鮮戦争の時からの運命の糸

 これは70年代の、文字通りのファッション界を舞台としたものです。大阪万国博に出品するという話が出てきて、時代性を感じさせます。大阪万国博と言えば、私が浪人していた時であり、大阪市内に住んでいた関係もあって、何度か足を運び、世界に目が開かれて、自分にとっては貴重な体験になりました。
 もっとも、韓国では朴大統領による独裁軍事政権の時代であり、南北の分断・対立という厳しい現実がありました。朝鮮半島の分断という事態は現在も変わっておらず、北朝鮮のスパイとの愛と闘争を描いた「シュリ」や南北国境線での悲劇を描いた「JSA」などをはじめとするシビアな韓国映画なども数多く作られています。
 このドラマはまず朝鮮戦争の話から始まり、主人公たちの運命がこの戦争をきっかけに大きく変わってきます。少女であったジュニとガンヒは共に肉親とはぐれ、いろいろな経緯があって、ガンヒの母親が、銃弾を受けて幼い頃の記憶を失ったジュニを引き取り、ドミと名前を変えられますし、一方のガンヒはジュニの父親(母親は戦争勃発時になくなります)に引き取られ、ジュニとして育てられます。ここで子供の入れも替えが起こったわけですが、こういう展開もドラマにはよくあることです。「秋の童話」では産院で赤ん坊の取り違え事件が起こりますが、主人公たちもその親たちもはその事実に長い間、気がつきません。「秋の童話」でもこの取り違えられた二人が恋のライバルとなっていますが、それは「ファッション」でも同様です。
 ガンヒはむろん、小さい頃の記憶は持ち合わせており、自分がガンヒであることを知っていましたし、本当の母にも会います。彼女も、今はドミとなっている元ジュニもドンヨンという男に思いを燃やし、二人が二人ともファッション界に入り仕事と愛のライバルとして対立を深めます。
 ドンヨンは朝鮮戦争の時、すでに彼女たちに会っており運命的なものがあるのですが、そのことに気づくまで長い間かかります。ドンヨンの父は朝鮮戦争時に、国境部隊の将軍であり、将軍の妻の形見の真珠を盗んだのがガンヒの母ですが、盗んだことを隠すためにガンヒに真珠を飲み込ませることまでさせる、たちの悪い女でした。ガンヒ(後のジュニ)、ジュニ(今のドミ)、ドンヨンにファッションデザイナーの息子であるビンが絡み、例によっての四角関係となるわけですが、ビンの母は朝鮮戦争の時に、国境地帯でファッションショーを開いており、後にジュニとドミが彼女に弟子入りするという展開になります。朝鮮戦争の時から運命の糸は微妙に絡み合み、70年代の話へとつながっていきますが、子供時代に端を発する関係が後まで影響するのは韓国ドラマではお馴染みのものです。しかし、このドラマで光る点は時代状況を反映しているところとファッションの世界にスポットを当てているところです。

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