映画探訪18 「学校の階段」2 階段部疾走レースのルール

 生徒会長の中村あづさがそれだけ階段部を嫌うのは理由がありました。階段部はそもそも彼女と現部長の刈谷謙吾が創設したものであり、二人が競走中に事故が起こり、彼女は自分を取るか部を取るかと刈谷に迫りましたが、刈谷は部を選んだため、中村はそれを恨んで、廃部活動への取り組みを始めたのです。愛が憎しみに変わっただけに、中村は徹底的に部員たちへの攻撃をするのです。
 この映画の一番のクライマックスシーンは、部の存続をかけた中村あづさと神庭里美との階段レースです。こういう提案を中村自身がするというのもおかしいと言えば言えますし、教員も生徒も学校挙げてそのレースのゆくえを見守るというのも、ありえない状況ですが、そういうことをすべて無視できるほど、このレース自体が最大の見せ場になっています。校長もこの試合に許可を出しますが、癒し系の校長であり、理事長の意向を気にしている教師たちとは違った存在になっています。校長室でトランペットを吹くという芸術家肌でもあり、生徒に理解を示しているという点が、救いと言えば言えます。
 中村は階段部の創設者だけに、新入部員の里見とは格が違いますから、里見の不利は明らかです。それを試合までのトレーニングと当日のガッツ精神でどうはね返してゆくかがポイントです。「ロッキー」の再現みたいなところがありますが、むろん、あの映画の迫力には及びもしないまでも、試合がどう展開にはしてゆくかに興味がつきません。
 試合のルールとして、チェックポイントは必ず通過しなければいけないものの、ルートは自由に選べます。そのため、里美は下に飛び降りたり、窓から出入りしたりして、いろいろと工夫し、劣勢を挽回します。ルールで笑えるのは、ゴミ箱などにぶつかってゴミを出してしまったら、それを片付けてからしか、走ってはいけないというもので、そういう場面も用意されています。
 他の部員によって、走っている自分の位置はコンピューターによって確認されており、指示も受けることができるというのが、階段部の特徴であり、まさにゲームの時代の申し子のような部活動です。映画「マトリックス」を彷彿とさせるところがあり、実際にラグビー部員が里美に向かって投げてきたボールを彼女が体をかわしてよける場面もありますが、これも観客へのサービス精神の表れです。

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