追悼・桂米朝さん 「上方落語大全集」に聴き入った頃・「地獄八景亡者戯」・「はてなの茶碗」の意外な展開

 今日、桂米朝さんの葬儀が行われ、その様子がテレビで放送されていました。改めて米朝さんの存在の大きさを実感するとともに、深い喪失感にとらわれました。米朝さんのご冥福をお祈りいたします。
 米朝さんの訃報を知ったのは、萩旅行から帰ってきた20日の夜、その日の新聞の朝刊に桂米朝さんの死亡記事が一面トップに出ていたのを見た時でした。思えば、弟子の桂枝雀さんが自殺を図ったということを知ったのも海外旅行から帰った時であり、衝撃を受けました。枝雀さんは日を経ずして亡くなり、あの爆笑落語がもう見られない、聴けないと思うと、悲しくてなりませんでした。
  米朝さんは戦後衰えていた上方落語を復興させ、今の隆盛をもたらした第一人者でした。笑福亭松鶴さん、桂春団治さん、桂小文枝さんと並んで「四天王」と呼ばれて、それぞれの落語に違った味わいがありました。
 米朝さんの落語は知的で気品がありましたが、知識と教養が豊富であり、それが落語の中で如何なく発揮されていました。私の中学高校生時代、ラジオ大阪で「題名のない番組」を聴いていましたが、米朝さんと作家の小松左京さんの対談番組であり、二人の博識ぶりに舌を巻き、熱心に聴き入っていたことを思い出します。
 私は20代に白内障を病み、本をほとんど読めない時期が数年ありましたが、米朝さんの「上方落語大全集」のレコードを買い求め、何度となくそれらの落語を聴き、その世界に酔いしれ、苦しい時代を乗り切りましたから、そういう意味でも感謝の念に堪えません。レコードは23巻(LP2枚組)あり、100作近くの演目が収められています。
 その中でも一番の大ネタは「地獄八景亡者戯」であり、60分を超えますが、地獄へ行くという話の壮大さ、内容の面白さに、時間の長さを忘れて楽しみました。この演目に元ネタはありましたが、米朝さんがいろいろと色づけをして、現在の大がかりなものに作り上げました。この演目が23日深夜に追悼番組として毎日放送でカットなく放送され、改めて聴きましたが、噺の至るところに時事ネタをふんだんに盛り込んでいて(1990年に収録されたものであり、リクルート事件、ウォーターライド、イエスの箱舟、臓器移植、性転換のことなどが巧みに取り込まれていました)、懐かしさを覚えました。地獄の興行に「桂米朝 近日来演」の看板がかかっているくだりには、以前は笑わされるだけでしたが、今回はその部分を聴いて胸にぐっと来るものがありました。
 また萩旅行へ行く前に、いろいろな番組を予約録画していったのですが、20日の毎日放送の番組「ちちんぷいぷい」の冒頭は米朝さん訃報の特集が組まれ、「はてなの茶碗」という噺が放送されました。これも私の好きな噺の一つであり、噺の展開の意外さ、だんだん大ごとになってゆくところなど、聴きどころ満載です。 
 

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック