自作短歌の周辺34 負の遺産を子孫に残すことを憂えた歌 国の借金・放射性物質

 負の遺産子孫に残さぬすべなきか国の借金・放射性物質

 この歌は、10日に奈良県生駒市で開かれた巻雲短歌会の奈良支部歌会に出した作品です。負の遺産を子孫、すなわち未来世代に残してしまうことを憂えた作品です。
 日本の懸念材料はいろいろありますが、この歌の場合は、国の膨大な借金と、放射性物質に絞りました。もう一首、東京一極集中を題材にした作品も歌会に出しましたが、その作品については後述します。
 国の借金は雪だるま式に増えていき、今や一千兆円を超えていますし、これからも減る見込みは全くなく、ますます増えてゆくばかりです。国家予算の収入を税収だけでなく、国債にも頼っているのですから、この悪循環を断ち切らない限り、国の借金が減ることは絶望的です。今でも国民一人一人が何百万円という借金を背負っている形です。何十年先には一体、どういう状況になっているのでしょうか。未来世代にツケを回すことに暗澹たる思いがしますし、国自体が破産しかねないという危惧も持ちます。まだ個人や会社が全体として国の借金以上の蓄財をしているからいいものの、国が危ない状態になったら、個人などが持っている金を国のために吐き出さないといけなくなる可能性もなくはありません。ともかく国の借金を膨らませていることに、未来世代への配慮はなされているのかという大いなる疑問を持ちます。
 それ以上に心配なのが、放射性物質の存在です。福島第一原発事故による生じた放射性物質は莫大な量ですし、今も放射性汚染水が増え続けています。さらに現政権は原発を次々に再稼働させていますから、事故が起こらなくとも、放射性廃棄物がどんどん生み出されていきますし、それらの保管場所も確保できるのか心配です。ましてや、将来、原発事故が起こらないという保証はどこにもありません。ひとたび深刻な事故が起これば、その近辺は放射能に汚染されて、きわめて長期にわたって住めなくなります。福島の原発事故から5年も経つのに、帰還困難区域には住民も戻れず、すべてが放置されたままで震災が起こった当時のままです。こういう現状を見れば、原発再稼働に慎重になるのが当然ではないでしょうか。原発の地元では経済的な事情などから議会で再稼働に賛成の声が圧倒的ですが、事故は起こらないと過信しているように思えます。福島の教訓が生かされていないという気がします。
 子孫に負の遺産を残さないことが、われわれの責任ではないでしょうか。 「すべなきか」という言い方で、絶望的になりながらも、なんとかそうならないようにという願いもこめました。「すべ」とは手段とか方法とかいう意味ですが、歌会では「すべなきか」という表現について、古い言い方ながら作者の思いがよくこもっているとの意見も出ました。

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