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zoom RSS フランス文学探訪81 ジイド「狭き門」1  恋人の信仰の邪魔をしているのが自分だと思い身を引く女性

<<   作成日時 : 2019/04/23 16:43   >>

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 アンドレ・ジイドの小説の中で一番有名なのが、「狭き門」でしょう。今でも難関大学などに入るのは「狭き門」だという言い方をします。もともと聖書にある言葉で、「力を尽くして狭き門より入れ」というキリストの言葉から来ています。信仰に入る道がいかに困難かを述べた言葉です。
 この小説の語り手はジェロームという青年ですが、彼は二つ年上のいとこのアリサのことが好きになり、彼女も同様に彼を愛するようになります。アリサの母が男と家を出てしまったということもあり、アリサはますます内向的になり、信仰によりどころを求めるようになります。ジェロームがアリサに婚約を申し出ると、彼女はそれを拒みます。ジェロームはそれがなぜか分からなかったのですが、アリサの妹も同じようにジェロームのことを慕っており、そのことに気づいたアリサが身を引こうとしていたのだということをやがて知ります。アリサの妹は別の男と結婚して、幸せな家庭を築きます。ジェロームとアリサの関係に、妹という障害がなくなってしまった後も、アリサはジェロームを愛しながらも、彼と結ばれようとしません。逆に、ジェロームが別の女性と結婚して、女の子が生まれたら、アリサという名前にしてほしいなどと言い出すのです。もちろん、ジェロームは納得しませんし、自分が愛するのはアリサだけだと叫ぶのですが、彼女はジェロームの元を去り、病気のためにそのまま亡くなってしまうのです。
 アリサは日記を残しており、ジェロームはその日記を読むことによって、彼女の思いを知ることになります。彼女はジェロームが宗教的な徳の道に入ることを望み、自分の存在がそれを妨げていると考えたのでした。日記の中で、アリサは「主がわたしたちに示したもう道は狭いのです。二人並んでは通れないほど狭いのです」と言っています。神とジェロームの間に入って邪魔しているのが、自分自身だと知り、自分が彼の元を去れば、彼は神の道に入ることができると思い込んだのです。しかし、彼のことを愛している気持ちは偽れず、その苦悩が連綿と日記に綴られていました。
 ジェロームはアリサの死後、別の女性と結婚するという気持ちになれず、アリサの妹の家を訪ねて、そこに運び込まれたアリサの部屋にあった家具類の中に身を置くことによって、彼女のことをしのぶだけでした。
 

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