関ヶ原の残党、石田世一の文学館

アクセスカウンタ

zoom RSS フランス文学探訪96 モーパッサン「手」1  幻想的な小説・壁につながれた手による殺人

<<   作成日時 : 2019/05/11 23:35   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

 モーパッサンが幻想的な作品を数多く書いていることはあまり知られていないかもしれません。この「手」という作品を知ったのは、小説ではなく、ラジオドラマでした。
 この作品も、予審判事がみんなに不思議な話を語るという形式を取っています。場所はナポレオンが生まれ育ったコルシカ島です。この島は復讐の血で染まっていると予審判事は述べますが、事実、その島がそういう血なまぐさいイメージを持つものなのかは、私はよく知りません。しかし、この小説のテーマとよくマッチしているのは、作者の手並みの見事なところです。
 さて、その島に一人のイギリス人が訪れ、別荘を借りて暮らし始めます。狩猟と釣りが好きで人付き合いが嫌いな人物であり、予審判事は彼に興味を持ち近づきます。彼の家に招き入れられた予審判事は、そのイギリス人からアフリカやインドに旅行して狩りをした話を聞きますが、一番恐ろしいのは象でもゴリラでもなく、人間だと言い切ります。壁に皮の剥がれた人間の手がかかっていましたが、これは彼が人間狩りをした時に得た時のものです。手が動くことのないように鎖で留められていましたが、イギリス人は手が逃げ出さないように防いでいるのだと言い、予審判事は彼が精神を病んでいるのか、悪い冗談かと思いました。イギリス人は実際、極度に警戒して、いつも銃をそばに置くことを怠りませんでした。
 それから一年が経ち、イギリス人が家で首を絞め殺されているのが発見されました。口の中には歯で食いちぎられた人間の指がありました。壁にかかっていたはずの人間の手は消えており、鎖だけがかかっていました。イギリス人の話によると、最近彼の元に手紙が多く届き、そのたびに彼は破り捨てていました。彼は怒りに駆られて、壁にかかっていた手をしきりに鞭打ち、夜遅くなっても部屋で誰かと言い争う声が聞こえていたということです。警察の手で島中が探索されましたが、何も見つかりませんでした。
 それから三ヶ月後、予審判事は、壁の手が自分の部屋を這いずり回っている悪夢を見ました。その翌日、イギリス人の墓に例の手が置かれているのが見つかりました。その中には人差し指がありませんでした。
 以上が大体のあらすじですが、解説は次の回に譲ります。
(2004年01月03日  公開)

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
フランス文学探訪96 モーパッサン「手」1  幻想的な小説・壁につながれた手による殺人 関ヶ原の残党、石田世一の文学館/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる