映画探訪31 世界の民話探訪36 「美女と野獣」 ディズニー版とフランスの元の話

 ディズニー版の映画「美女と野獣」がテレビ放送されましたが、フランスのボーモン夫人が十八世紀に編集した物語に基づいているものの、いろいろな点で大きく違っています。ディズニー版では、ヒロインのベル(美しい女性という意味のフランス語)に横恋慕する男が登場し、さまざまな陰謀を巡らし、民衆を扇動して野獣のいる城まで攻め寄せますが、そのような男はボーマン夫人の「美女と野獣」には出てこず、勧善懲悪の話にはなっていません。
 父親がベルへの土産のために野獣の城からバラの花を盗もうとし野獣を怒らせたところは同じですが、ボーマン夫人の物語では、ベルには二人の姉がいて姉たちが高価な土産を求めたのに対して、ベルは一輪のバラを求めるだけという話になっています。二人の姉は意地悪でもあり、そういう意味では「シンデレラ」の三人姉妹の設定と似たところがあります。
 ディズニー版では、バラの花に大きなウェイトが置かれており、王子が野獣に変えられてしまったのは、バラ一輪で泊めてほしいという老婆(魔女)の頼みを断ったからだという理由付けがされています。しかし、ボーマンの物語では野獣に姿を変えられてしまったのは「ある意地悪な妖精の呪いにかかった」からだと述べられているだけで、バラとの関連性は示されていません。
 ディズニー映画は、他の作品でもそうですが、話を劇的にすることに長け、見せ場が多く設けられていて、そういう意味ではさすがだという気がします。
「美女と野獣」と云えば、1993年、大阪府立住吉高校の国際教養科の三年担任をしていた時、生徒たちが文化祭で演劇を披露したことがあります。国際教養科の二クラス合同の有志たちでの上演でした。その時の住吉高校は、三年生のクラスは文化祭は自由参加で、クラスで何かをすることはほとんどありませんでしたし、二クラス合同の有志というのも、画期的なことでした。
 ディズニーアニメを基にした演劇で、ベルの父親が野獣の城を訪れ、野獣に捕らわれてしまう場面から始まりますが、バラの花を盗むところは出てこず、父親が勝手に椅子に座ったという話に替わっています。劇にするには、その方がやりやすかったからでしょう。城の調度類では、時計、ろうそく、タンス、ティーポットなどが登場しますし、ベルに横恋慕するガストンも出てきて、民衆をけしかけて城を攻撃してくるところも、ディズニー版と一緒です。王子とベルが結ばれた後、最後にみんなでダンスをしますが、毎日懸命に練習していただけあって、劇もダンスも素晴らしい出来でした。閉会式で優秀賞の表彰を受けましたが、その時にも、彼らはまたダンスを披露し、生徒たちの喝采を浴びていました。懐かしい思い出の一つです。

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