旅行記169 小倉旅行6 松本清張記念館・映画「砂の器」のラストシーン・小説「或る『小倉日記』伝」・陸軍第12師団司令部正門跡

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小倉城の後、松本清張記念館を見学しましたが、多作の作家だけあって、それぞれの作品に関するいろいろな資料が展示されていました。ちょうど、映画「砂の器」のラストシーンが流れていましたが、加藤剛さん演じる主人公(厳密には主人公は丹波哲郎さん演じる刑事です)が、自分の作曲した「宿命」を演奏しながら、自分の辛かった過去を振り返るという名場面で、おのずと食い入るように見ていました。この映画を見たのは、学生時代で、友達と確か「祇園会館」で見たと記憶していますが、涙が止まらなかったことを覚えています。ハンセン病を患った父親と子が、各地で迫害され、放浪する場面が印象的で、季節感を出すために十ヶ月程かけて撮影されたと聞きます。東北弁のような方言を話すのが、東北地方だけではないというのが、この小説の大きなポイントになっています。
 記念館に、清張の東京の家のうち、二階建ての応接室、書斎、書庫が切り取って移されて展示されていましたが、特に書庫の大きさ、蔵書の膨大さには、圧倒されました。さすが研究者並みに資料を駆使して書いたことがよくわかります。
松本清張は小説「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞しています。森鴎外の小倉時代に記した日記が失われていたため、一青年がその欠落部分を埋めようと鴎外の足取りを丹念に精力的にたどるものの、皮肉なことに、彼の死後、「小倉日記」が発見されるという内容です。こつこつと努力を払いながらも必ずしも報われるとは限らない市井の人にスポットを当てているところが、清張文学の魅力の一つです。
 DSCN0910.JPGDSCN0952.JPG鴎外が小倉時代、勤めていたのは陸軍第12師団司令部ですが、当時、司令部庁舎は小倉城の本丸跡に置かれていました。今でもその正門の一部が残っており、この門を通って鴎外は毎日登庁していました。近くに司令部跡碑が建っており、大砲が置かれています。
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