音楽探訪34 声楽交友会ベルカントの公演2 喜劇「チェネレントラ」・悲劇「チューダー朝三部作」・「なごり雪」の替え歌

「奈良市ならまちセンター」で行われた、声楽交友会ベルカントの公演ですが、全29曲あり、私の知らない曲もたくさんありました。「シンデレラ」をもとにした、ロッシーニの「チェネレントラ」は、4回に分けて、少しずつ歌われました。面白いのは、ヒロインのお膳立てをするのが魔女ではなくまた魔法も使われず、王子の教育係である哲学者だということ、ヒロインをいじめるのは継母ではなく継父であること(姉二人は同じですが)、ガラスの靴は出て来ず腕輪であることなど。全体的に喜劇タッチです。
 最後は、王子とチェネレントラの結婚式の場面でしたが、チェネレントラの独唱が中心であるものの、舞台に出演者全員が登場し、合唱する部分もあり華やかでした。ヒロインは、継父も姉二人を許すというハッピーエンドで終わります。
 一方、悲劇としてはドニゼッティが作ったイギリスのチューダー朝三部作の二つが取り上げられていました。一つは「マリア・ストゥアルダ」で、二人の女王マリアとエリザべッタの対決を描いたものです。マリアはスコットランド女王メアリー、エリザベッタはイングランド女王エリザベスをモデルとし、メアリーは最後処刑されています。もっとも、史実では2人は実際に会ったこともないということがパンフレットの説明に書かれていました。
 もう一つは「アンナ・ボレーナ」で、ヘンリー八世が、アンナ(実名はアン・ブーリン)と再婚するためにローマ・カトリック教会と決別した(カトリックでは、離婚は認められていなかったため)ものの、ヘンリー八世は新しい恋人ジョヴァンナ(実名はジーン・シーモア)ができたために、不倫の罪を着せてアンナを処刑してしまうという、史実に基づいた内容です。
 曲の大半は原語で歌われましたが、ただ、前半の最後に、男声全員による「なごり雪」の替え歌は日本語で歌われましたが、会場は笑いの渦に包まれました。声楽家自身、声が出なくなったり音程が外れたりして、舞台に立つのが怖くなり、自分で自分のことが「去年よりずっと嫌いになった」と自嘲的に歌うという内容です。むろん、男性陣の声楽は素晴らしいもので、それだからこそ、歌の内容との落差に大いに笑えるのですが。
 DSCN7177.JPG写真は「ならまちセンター」のところから見た、興福寺五重塔です。

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