ドラマ探訪46 「おちょやん」のモデルとなった浪花千栄子さんが演じていた「細うで繁盛記」の祖母・花登筺氏の原作を天王寺図書館で読みふける・子供の頃から花登ドラマに親しむ 

 朝ドラ「おちょやん」のモデルとなっている浪花千栄子さんの演技で、一番印象に残っているのは、かつて読売テレビで放送された「細うで繁盛記」のヒロイン、加代の祖母役でした。祖母は大阪の料亭「南地楼」の女将で、加代に商いの心得、経営の精神というものを加代に教え、加代は祖母の言葉を胸に刻んで、熱川温泉の旅館「山水館」の主人に嫁ぎ、数々の苦難を乗り越えて、旅館を立て直してゆくという根性ドラマです。浪花千栄子さんの出番はそれほど多くありませんでしたが、存在感があり、強いインパクトを受けました。
 花菱アチャコさんと浪花千栄子さんが夫婦役となったラジオドラマ「お父さんはお人好し」は、生では聴いていませんが、ラジオ番組で、一部流れたことがあり、掛け合い漫才とも言うべき、夫婦のやりとりに笑いを禁じ得ませんでした。
 彼女が松竹新喜劇を退団したのは、私が生まれた年ですから、当然新喜劇での活躍ぶりは知りません。
 テレビドラマ「細うで繁盛記」の原作は花登筺(はなとこばこ)さんの小説「銭の花」ですが、学生時代、原作を読みたくて天王寺公園にあった大阪市立図書館まで赴いて、読みふけったことがあります。今その図書館は別の場所に移転しています。
 DSCN0461.JPGDSCN0443.JPG 写真は4年前に撮った天王寺公園ですが、今は「てんしば」という名で親しまれています。
 ドラマのオープニングに「銭の花の色は清らかに白い。だが蕾は血がにじんだように赤く、その香りは汗の匂いがする」というナレーションが入っていましたが、インパクトがありました。先日、毎日放送の番組「ちちんぷいぷい」の「とびだせ!えほん」のコーナーで、絵本作家の長谷川義史さんが、読者の注文に応じて絵を描きながら、この言葉を口にしていましたし、ヒロインのいじめ役である小姑の富士真奈美さんの静岡弁の言葉も真似ていました。長谷川さんにとっても、このドラマは鮮明な印象となって残っているのでしょう。
 花登さんの小説としては「ぼてじゃこ物語」「どてらい男」などをはじめとして多数に上りますが、ほとんどがドラマ化されています。また喜劇タッチのテレビドラマの脚本も多く手がけ、「番頭はんと丁稚どん」や「頓馬天狗」(大村崑さん主演の鞍馬天狗のパロディー物)は子供の頃、毎週見ていました。民放の大阪発のドラマが今はあまり見られなくなったのは、寂しい限りです。これも東京一極集中が招いたことの一つだと云えます。
  

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この記事へのコメント

くろねこかあさん
2021年05月27日 09:22
「細腕繁盛期」当時は小学校の低学年だったのですが花登筐原作のテレビドラマが好きだったので、後に「銭の花」「どてらい男」原作を読みました。

感想を言えば、成長期はとても面白く、勉強になるところも多いのですが、どちらも終わりごろになると先すぼりだなぁと言う感じです。
どちらも終わりごろは「こうなってこうなって、こうなりました。はい、おしまい。」
という感じで、作者自体が、書くのに飽きてしまったのかなぁ、と、残念に思っています。

でも、テレビドラマは良かった。戦後のど根性物、ぜひまた再放送で観たいものです。

石田世一
2021年05月28日 00:24
コメント、ありがとうございます。「細うで繁盛記」は続編を含めて2年近く、「どてらい男」も、3年半も続いた長いドラマでしたから、どうしてもだれてしまうのは無理ないところでしょうね。花登筺さんも、ネタ切れになって次第に飽きてきたのかもしれません。しかし、今ではこんなに長いドラマは日本ではありませんから、それだけ当時のドラマはパワーがあったという証でもありますね。
 数ヶ月前、関西テレビで「どてらい男」の主人公を演じた西郷輝彦さんをスタジオに呼んで、名場面を振り返っていましたが、懐かしかったです。こういう骨のあるドラマを作ってほしいものですし、名場面が残っているところから見て、録画したビデオは残っているのではないかと思われ、再放送も可能ではないでしょうか。