追悼 田中邦衛さん 「若大将」シリーズの「青大将」役・「北の国から」の五郎役 「北の国から」を国語の教材にしていた教員も

 田中邦衛さんと云えば、「若大将」シリーズの主人公・雄一(加山雄三さん)の仇役である「青大将」役が、自分にとっては、強烈な印象となって残っています。最初に見たのは中学2年の夏で、シリーズ5作目の「海の若大将」でした。ヒロインの澄子(星由里子さん)に思いを燃やす恋敵として、ことごとく「若大将」の邪魔をしますし、「青大将」が起こしたカンニング事件の責任を「若大将」が取らされて停学処分になります。自分勝手な金持ちお坊ちゃんで憎たらしい役柄でしたが、「若大将」にはかなわないズッコケた道化役でもあり、このシリーズには欠かせない存在でした。
 この映画では、「青大将」の父親の持っている船を、「若大将」が操船していますが、実際はこの船は加山さん自身が所有する「光進丸」で、映画制作のために自分の船を提供したわけです。この映画は、舞台は東京になっていますが、スタジオが使えない関係で、ロケの多くは関西で撮影され、海の場面は大阪湾や神戸港でも撮られていたのを後に知りました。この年の冬に「エレキの若大将」が上映され、映画の中で歌われる「君といつまでも」が大ヒットしました。
 またテレビドラマ「北の国から」も、田中邦衛さんが主役(五郎役)を務めた代表作でした。毎週テレビで放送されていた時には見たことがありませんでしたが、大阪府立堺工業高校に赴任していた時、国語科の先生で「北の国から」を授業で1年間かけて見せて、毎回、最後にあらすじと感想を書かせておられました。その先生が休まれる時、代わりに「北の国から」のビデオを視聴覚教室で見せるように頼まれたことがあり、その時、初めて「北の国から」を見ました。生徒たちには好評で、ドラマにいたく感動し、富良野の水や電気のないところで、子供の純(吉岡秀隆さん)、蛍(中嶋朋子さん)と共に新たな生活を始める五郎の、不器用ながらもいちずに生きる姿に学ぶことが多かったようで、先生は生徒の感想をプリントにして、まとめていました。こういう授業ができたのは、工業高校ではセンター試験を受験する者がなく、大半が就職する生徒たちだったからで、教材も授業内容も各教員に任されていました。私もその先生に倣い、授業で映画を見せて、それを教材として使いました。
 それはともかく、私は「北の国から」を全回見たわけではありませんが、その後に放送されたスペシャル版は全部見ています。田中さんの追悼番組で「北の国から・初恋」を久しぶりに見ましたが、純の甘ずっぱくてほろ苦い初恋が印象的で、相手のれい(横山めぐみさん)も可愛らしくて初々しい感じがしました。テーマ曲も尾崎豊さんの曲も効果的でした。五郎と反抗期になった純との気持ちのすれ違いも丁寧に描かれていました。話の展開自体はお決まりのようなところがあり、出来過ぎているきらいもありますが、一時代を画したドラマでした。私は富良野には行ったことはありませんが、堺工業高校の司書の人が、家族で訪ねて感動したと熱く語っていたことを思い出します。その人も故人になりました。
 田中邦衛さんのご冥福をお祈り致します。

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