自作短歌の周辺42 日本歌人クラブ編「現代万葉集 2020年版」に載せた三首・連作短歌「歪められた歴史」の最初の部分

DSCN0178.JPG 日本歌人クラブ編「現代万葉集 2020年版」がしばらく前に届きました。昨年までの発行はNHK出版からでしたが、今年は短歌研究社になりました。私が載せたのは次の三首です。

 人事権握る政府の言ひなりになる官僚のあまりに多し
 政権に都合の悪き文書類廃棄さるるは今も変はらず
 権力者によりて文書の改竄が行はれたるも世の常なるか

 これらはもともと、所属する短歌会の雑誌「巻雲」に載せたものですが、二十数首の連作短歌「歪められた歴史」の最初の部分です。安倍政権下の数々の問題に関する文書が廃棄されたり、改竄されたりすることを題材に、そういう権力者の姿勢は昔も今も変わらないことをまず短歌に詠みました。その後に次のような内容のことを続けて歌に詠みました。
 すなわち、徳川幕府も自分たちに都合のよい歴史を作り上げてきたこと、家康に刃向かった三成らは悪者に仕立て上げられたこと、関ヶ原の戦いも江戸時代に編纂史料や軍記物などで脚色され、家康の活躍を引き出すために、途中まで戦いに参加していなかった小早川秀秋に家康が鉄炮を撃ちかけて裏切りを促すという虚構の話を作り出したこと、実際は秀秋は戦いの最初から裏切っており、まず関ヶ原の前線に出ていた大谷吉継が家康方軍勢と秀秋の挟撃に遭い壊滅したこと、次に山中というところに布陣していた三成ら主力部隊が、家康方軍勢と戦って敗走したこと、現在の関ヶ原の各武将の陣跡や布陣図は明治時代になって作られたものであり、歴史的根拠はないことなど。これらの短歌を詠むにあたっては、白峰旬氏や高橋陽介氏などの最新研究を取り入れていますが、一次史料に基づいた関ヶ原関連の研究は始まったばかりであり、検討すべき課題は山積しています。
 なお、来年1月下旬に発行予定の「巻雲」の最新号に「連作『歪められた歴史』について」と題する文章を載せていますが、会員の人々はこの連作短歌の内容がわかりにくいのではないかという気がしたので、上記のようなことを詳しく述べて、自作解説しました。

 

 

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