大阪府立住吉高校国際教養科の専門科目「国際理解」を担当3 ギリシャ・ローマ神話「パンドラの箱」 人間に災いをもたらすために創られたパンドラ・人間のために神から火を盗んだプロメテウス

img148.jpg 大阪府立住吉高校の国際教養科の専門科目「国際理解」で、ギリシャ・ローマ神話の「パンドラの箱」も取り上げました。この時はラジオドラマになっているCDを生徒に聴かせて、その内容理解から始めました。
 パンドラは全知全能の神ゼウスが、人間に災いをもたらすために創った人類最初の女性です。美しい体や病を治す力、織物を作る技術だけでなく、好奇心や狡猾さまで与えました。パンドラはプロメテウスの弟のエピメテウスの花嫁になりますが、パンドラは開けてはならないと言われていた箱を、好奇心のあまり開けてしまいます。その箱からは、悲しみ、病気、貧困、憎悪、苦悩、犯罪などの災いが飛び出し、それらの災いはその後人類を苦しめることになるわけですが、希望だけは箱の底に残り、守られたという話です。
 パンドラは「すべてを与えられた(与える)者」の意で、元来、箱ではなく瓶でした。プロメテウスは神々に反抗して人類に火を与えたためにゼウスに罰せられましたが、ゼウスの怒りは人間にも向けられたわけです。プロメテウスという存在には、ギリシャ人のヒューマニズムがあらわれていることを授業で押さえました。
 もっとも、現代の感覚から云えば、パンドラには女性に対する偏見があらわれていると云えますが、この神話には、最後、希望だけが残ったというところに救いがあります。「見るなの禁忌(タブー)」は、日本や世界の神話や民話によく出て来ますが、人間の心理をよく突いているという気がします。
 「パンドラの箱」では、プロメテウスも重要な役割を果たしていますし、授業ではその点もしっかり押さえました。プロメテウスは、人類のために神から火を盗んだために、ゼウスによってはりつけにされ、大鷲に肝臓をついばまれます。しかし、プロメテウスは不死の体のため、ついばまれた肝臓は翌朝に再生し、また大鷲に食われるという拷問が延々と続きます。数万年に及ぶ拷問を受けたプロメテウスを救ったのが英雄のヘラクレスで、大鷲を殺しました。ゼウスもプロメテウスの罪を許しました。
 プロメテウスは巨大なタイタン族の子で、ゼウスはオリュンポスの神々と共に父のクロノス率いる巨大なタイタン族と長年にわたって戦います。プロメテウスには予知能力があり、タイタン族がゼウスに勝てないことがわかっていましたから、タイタン族に戦いをやめるように説得しますが、聞いてもらえず、タイタン族の血を残すためにゼウスと盟約を結びました。果たして、タイタン族は敗れて追放されます。しかし、プロメテウスはゼウスの傲慢なやり方に次第に問題を感じるようになり、ゼウスが人類から火を奪ってしまったことを許せなかったわけです。もっとも、プロメテウスはゼウスと和解してからは、ゼウスのよき相談相手になり、持ち前の予知能力でゼウスの不幸を防ぎました。プロメテウスは西洋文学の題材になり、アンドレ・ジイドの小説にも描かれています。

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