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zoom RSS 日本文学探訪126 植村武先生の短歌のロシア語翻訳2 野の煙の歌

<<   作成日時 : 2017/04/02 11:10   >>

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 当時のソ連政府が発行した「世界文学シリーズ」の「日本詩歌集」の中に植村武先生の短歌が5首、ロシア語に翻訳されて掲載されており、短歌とロシア語翻訳がどのように違うかを拙ブログ記事で取り上げていますが、その続きです。

 藁屑(わらくづ)を焚(た)く野の煙ひろがりてゆふべは町の中にまでにほふ
 
 この短歌はロシア語では次のような四行詩に翻訳されています(天理大学ロシア語科の大谷深教授の訳による)。


 わら焼きの煙が
 たんぼに広がり、
 焦げ臭い匂いが毎晩のように
 村里までただよって来る。

 短歌の内容に即している部分もありますが、意訳されている部分もあります。三行目の「焦げ臭い匂いが毎晩のように」という部分がそうであり、藁屑を焚いている煙ですから、「焦げ臭い」というのは間違いではありません。しかし、「毎晩のように」というのは明らかに間違いです。「ゆふべは」と強調されていますから、普段はにおわないのでしょう。におうところも「町」であって、「村里」とは少しニュアンスが違っています。

 陽のぬくみいまだ残れる砂の上(うへ)を踏みて近づく夜の渚(なぎさ)に

 これはロシア語では次のように翻訳されています。

 夜の海辺を通る。
 昼間の
 温かみの残っている砂を
 踏んで行く。

 ロシア語では、短歌とは順番が逆になっています。いきなり「夜の海辺」が出されていますが、短歌のように最後にもって来る方が味わい深いように思います。またロシア語では「通る」となっていますが、「近づく」とは違いますし、歌の場合は徐々に渚に「近づく」様子が目に浮かび、余韻が生まれています。
 

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