漫画探訪18 「三国志」3   関羽の油断と侮りが命取りに

 漫画「三国志」は第42巻、43巻に至って、お馴染みの登場人物であった関羽、曹操、張飛が次々と死んで行き、無常観を覚えます。劉備と義兄弟の契りを結んだ関羽と張飛がいずれも、魏の曹操によってではなく、呉によって殺されてしまうのは、皮肉なめぐり合わせですが、これも三国鼎立という、三つ巴の世だったからで、話の面白さもそこにあります。敵と味方ではワンパターンの世界ですが、三国だと戦う組み合わせが三通りあり、そこに同盟も絡むと関係が余計複雑であり、蜀と呉が結びついたと思えば、今度は魏と呉が結びついたり、また離れたりと状況によってどんどん変わっていきます。
 蜀を劉備が手に入れ、荊州を任されていたのが関羽でしたが、油断したのが命取りになりました。関羽は魏の樊城を攻めて荊城をからにしていました。異変が起こるとのろしを上げてリレー式に伝えるという伝達方法を持っていましたが、呉軍は次々とのろし台を襲って、それをできなくさせました。毎年秋に佐和山をはじめとして琵琶湖周辺の山々がのろしを上げて伝達するというのろし駅伝が催されていますが、これは地元の人々の尽力のおかげで毎年成功をおさめているようです。
 関羽の油断は呉の大将に陸遜という実績もない者が抜擢され、おまけに毎日呉の兵たちが酒を飲んで怠けていると聞き知ったことから生じたものですが、それはすべて呉の作戦でした。相手を侮ってはいけないという戒めがこの話からうかがえますが、相手をさんざん馬鹿にして挑発したり、わざと臆病なふりをして逃げ出して、深く相手が攻め込んだところを伏兵が出現し、相手を打ち破ったりする戦法は「三国志」でよく使われています。
 荊州をやすやすと手に入れた呉の呂蒙は公平な政治を行い、領民の心を掴みます。遠征していた関羽の兵の大半は、荊州に家族を残してきた者ばかりですから、関羽の陣から逃げ出す者が続出します。それも人情として無理ないところですが、関羽の姿と垓下での項羽の姿とが重なって見えます。
 関羽は荊州に急ぎ戻り、麦州の城に500人で立てこもりますが、近くにいた蜀軍の劉封、孟達たちは多勢に無勢だとして援軍を送りません。これではさすがの関羽も勝てるはずもなく、味方に見放された形となって、奮戦空しく敵に捕まってしまいます。

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