韓国ドラマ探訪69 「太王四神記」5 タムドクの英知による奇襲作戦 

 タムドクの名君、英雄としての活躍が本格的に始まりますが、人間の殺し合いという戦いは避けて通れず、その点をいかに描くかがドラマで苦慮するところだと思われます。まず味方の犠牲を極力防ぐために、強力な鎧と盾をこしらえさせていますし、戦いに向かう者たちに相手を恐れさせて、無益な殺生をしないようにさせていますし、部下たちにも「死ぬな」と命じます。これでぐっと部下たちの心をつかみ、彼らはタムドクのために奮戦するのです。
 戦いが日常的であった当時にあっては、平和裡に解決するというのはなかなか難しいことであり、隣国同士の領地争いが繰り返されていたからこそ、高句麗が百済に攻め込むのも侵略だと単純には割り切れないところです。関ヶ原の戦いにしても、三成が家康に対して挙兵したのは、今立たなければ豊臣家が危ないと思ったからであり、当の家康も上杉攻めに向かったのですから、戦いは当然のなりゆきという状況でした。
 もっとも、タムドクが百済に奇襲攻撃を仕掛けるのは、ライバルのホゲを助けるためでした。ホゲが百済を攻め、チュシンの神器を取り返すべく四万の軍勢を動かしますが、百済がそれを察知すればもっと多くの兵を合流させ迎え討つことになるはずです。タムドクはその危機を救うために一方ではホゲの進みを遅らせ、その一方で自ら奇襲作戦に出て、百済の城を攻撃し、百済の応援部隊を引き返させようとします。タムドクが率いるのはわずか数千の軍で、近衛兵と領地を回復しようとする寄せ集めの部族に過ぎませんでしたが、まず彼らを貨物船に乗せてひそかに川を下り、まずソッキョン城に襲いかかります。予期せず襲われたソッキョン城の者たちは防戦一方であり、隣の城に使いを出します。しかし、その使者が次の城にたどり着く前に、タムドク軍は次の城に襲いかかります。ソッキョン城を落とすために、タムドクはあらかじめコムル村の村長やスジ二たちに変装させて城にもぐり込ませ、城門を開かせます。
 さらに、タムドクはチョムロ族の兵たちに、もっと奥にある百済の重要拠点であったクァンミ城を襲わせる振りをするよう命じます。これもその目的は、ホゲに対する百済の応援部隊を引き上げさせるところにありました。こういうよく考えた作戦を立てたところに、タムドクの英知がよく現れていますし、彼は君主というだけでなく、軍師的な役割も果たしており(コムル村の村長も乗船判断が的確ですが)、温かさも合わせ持ったチュシンの王となるべき運命を持ったスーパーマン的、救世主的な存在として描かれています。豪傑のチュムチの斧による攻撃を十手以上かわして、彼を家臣にしたり、馬に乗って戦ったりするなど、格好いいアクションの見せ場もたくさんあり、世のヨン様ファンにすればこたえられないドラマではないでしょうか。

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