奈良探訪4古典文学探訪156 「大和三山登山と藤原宮跡散策」3 天の香具山・持統天皇の歌・月の誕生石

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 久しぶりの 「大和三山登山と藤原宮跡散策」記事です。10月29日、耳成山に登り、藤原宮跡を通って、奈良文化財研究所藤原宮跡資料室を見学し、天の香具山に登りました。高さは152メートルです。
 写真は天の香具山の山頂にある国常立(くにとこたて)神社を撮ったものです。「祭神は国常立命(天地開闢とともに現れた国土形成の神)」であり「俗に雨の竜王と称され」ていることが説明掲示板に書かれています。太古の昔から雨乞いの神事が行われてきたことが、後述する「蛇つなぎ石」の説明掲示板に記されています。
 古典の授業で「天の香具山」を題材に詠んだ歌で、一番多く扱ってきたのは持統天皇の歌です。万葉集では「春過ぎて夏来(きた)るらし白栲(しろたへ)の衣ほしたり天の香具山」ですが、小倉百人一首では、「春過ぎて夏来にけらし白妙の衣ほすてふ天の手香具山」に改めています。「けらし」は過去の助動詞「ける」(連体形)と推定の助動詞「らし」が縮まったものです。「てふ」は「といふ」が縮まった言い方です。万葉集では「たり」という存続の助動詞を用いて「干している」とあった現実の景色が、「干しているという」という伝聞的な表現に変わっているわけです。
 授業で百人一首を扱ったときは、かるた取りを授業の時間を割いて行った(ホームルームの時間などを利用して学年全体でかるた大会もしました)ものですが、「春過ぎて」の歌はみんながよく知っているだけに、取るのが早かったという記憶があります。
 天の香具山について、犬養孝氏の「万葉の旅」で、大和「三山の中でここだけはゆったりと横にふしたような形だ。こういう地形のところが古代には神のまつりの場所となっていたらしい」と書かれています。
 確かに天の香具山は広くて、いくつも神社があり、不思議な石などもあって、独特の神秘的な空間ですし、ひととおり見て回るだけでかなり時間がかかりました。
 ちなみに、「万葉の旅」の「天の香具山」の歌として冒頭に掲げられているのは、「ひさかたの天の香具山この夕(ゆふべ)霞たなびく春立つらしも」という歌であり、柿本人麻呂歌集に載っているものです。
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 写真は月の誕生石を撮ったものです。山頂から万葉の森の方に入っていったところにあります。説明掲示板には、「花崗岩で、高さ1・5メートル、幅6・5メートル、奥行き3・5メートルあり、円形黒色の斑点は月が使った産湯の跡、小さな斑点は月の足跡と伝えられ、古代より信仰する人多し」と書かれています(もっとも、写真では斑点はよくわかりませんが)。天の香具山にあることで、余計に信仰の対象になったのでしょう。

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