自作短歌の周辺35 東京一極集中と「地方創生」のむなしさを詠んだ歌

 加速する東京一極集中にむなしく響く「地方創生」

 この歌は10日に奈良県生駒市で行われた巻雲短歌会奈良支部歌会に出した詠草です。東京一極集中の弊害が叫ばれていますが、それに反するように東京への集中がますます進んでいます。昨年は日本の人口が減少したにもかかわらず、東京圏の人口は逆に増え、一極集中が加速しています。少なくとも、東京オリンピックの時までは、この動きはますますひどくなっていくのではないでしょうか。北陸新幹線、北海道新幹線の開通で、東京との時間が短縮化され、ストロー現象によって、人々は東京に吸い取られていくでしょう。
 このままでは、すべてが東京にだけ集まって、地方は疲弊してゆくと、政府も危機感を強め、「地域創生」を掲げてそのための政策を考えるなどしていますが、焼け石に水といった印象です。消費者庁を徳島に、文化庁を京都に移転せさるなど、中央官庁の一部を地方に移すという動きもありますが、どこまで本気かわかりませんし、霞が関の中央意識が変わることはないのではないでしょうか。むろん、中央官庁の地方移転には大賛成ですし、文化庁は文化財が多い関西にあるべきだと思いますが。
 関西も東京一極集中の影響をもろに受けています。関西、特に大阪から東京に本社を移す企業は後を絶ちませんし、人の流れもそうなっています。教え子たちの同窓会に出て驚くのは、関東で働いたり暮らしたりしている者たちの多さです。むろん、関西で頑張っている者も少なくありませんが、東京に人材を吸い取られている気がして仕方ありません。
 経済の地盤沈下だけではありません。文化、芸術、マスコミなどすべてが東京に集中しています。上方の芸人事情もここ十数年のことはよく知りませんでしたが、定年退職後関西発のお笑い番組をよく見るようになって、東京に拠点を移している上方芸人の多さを知りました。全国的な知名度を上げるためには、東京のテレビ局の番組に出なければならないわけです。関西のテレビ局から全国発信している番組もありますが、数も少ないのが現状です。
 短歌では、「地方創生」とわざわざ括弧をつけたのは、政府の提唱していることに懐疑的な意味合いを込めているわけで、「むなしくひびく」という語と対応させたつもりです。
 東京一極集中とあいまって、日本の画一化、非個性化が進んでいるという危惧を覚えます。地方都市に行って感じるのは、東京資本が進出して、そういう店が少なくなく、東京を小型化したような街並みが広がっていることです。
 地方の疲弊は、日本全体の衰退を招きます。東京圏もあまりに人口が集中してしまうと、大きなひずみが生じ住環境も住民サービスも低下してしまいかねません。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック