庭のイヨカン・ネーブル・庭に実用的な木ばかり植えた藤市(「日本永代蔵」の「世界の借家大将」・「古典文学探訪55」の記述) 

 DSCN7752.JPGDSCN8162.JPG今年は庭木にイヨカン8個、ネーブル2個が生ったので、11月に収穫して部屋に並べておきましたが、先日、初めてイヨカンを一つ食べてみました。少々酸っぱいものの、味は悪くなく、充分果物として食べられます。プランターでキュウリやナス、プチトマトなどを育てたこともありますが、ここ何年かは怠っています。ネギは植えて、時々料理に使っていますが。
井原西鶴の「日本永代蔵」の中に、「世界の借家大将」という話があり、古典の授業で扱ったことがあります。大金持ちなのに、借家で暮らす藤市という男が主人公です。ケチの権化みたいな人物ですが、徹底的な合理主義者として、西鶴はおもしろおかしくむしろ好意的に描いています。庭に植える木も、実用的なものばかり植えています。「世界の借家大将」は拙ブログの「古典文学探訪」で11年前に取り上げましたが、藤市の植えた木について、次のように解説しました(古典文学探訪55)。
「正月の餅花になり、箸の材料にもなるというので柳の木を、節分の魔除けになるというので柊の木を、正月の飾りになるというのでゆずり葉の木を、雛飾り用に桃の木を、端午の節句用に花菖蒲を、糸を通して玩具になる数珠玉をそれぞれ植えていました。藤市には一人娘がおり、娘のためにそれらの木々を利用していました。
 端午の節句は男子のお祝いですが、そうなったのは菖蒲が『尚武』に音が通じていることに由来するもので、武家が始めたもののようです。私が子供の頃は五月五日には、風呂屋の湯は菖蒲が浮かんだ菖蒲湯になっていました。江戸時代には商屋では女子も端午の節句を祝っていたのでしょうか。数珠玉はお手玉にもなり、女の子の遊び道具でした。
 こういう植物を植えていたのは藤市なりに娘のことをよく考えていた証拠であり、世間並み一通りのことはしていたわけです。もっとも、娘にも合理精神、節約主義を吹き込んでゆき、その親の期待に応えた娘に成長してゆくことになります。
 藤市は朝顔も花の命が短いし、実用的ではないというので、刀豆(なたまめ)に植え替えさせました。刀豆は花の盛りの期間が長く、実は漬け物になるからです。ここにも藤市の合理精神がよく現れていますが、人間、観賞することも大事であり、ここまで徹底すると行き過ぎのきらいがありますが」と。

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