漢字の旧字体を使っていた韓国・今でも使っている台湾・台湾で高い短歌人気

2002年に韓国に行った折に、国立晋州博物館を見学しましたが、日本語版の図録があったので、買い求めました。文禄・慶長の役(韓国では壬辰倭乱・丁酉再乱)に関する資料がいろいろ掲載され、その解説がされていますが、驚いたのは、漢字が旧字体となっていることでした。たとえば、「対馬」は「對馬」、「応射」は「應射」、「変化」は「變化」というように。私の子供の頃は、文庫本などはまだ旧字体だったので、小説がなかなか読めず、苦労した覚えがあります。 
 日本は漢字が新字体になり、それがすっかり定着しています(名字が旧字体のままになっている家は多数ありますが)し、中国は略字体になりましたから、本来の旧字体を守っていたという点で、韓国は特筆すべき存在でした。それだけに、韓国の漢字文化衰退は、貴重な財産が失われることにつながり、随分もったいない気がします。日本と同様に、朝鮮半島でも、漢字文化の歴史はかなり長いものがあるわけですから。
 巻雲短歌会の共同代表である、天理大学名誉教授の三嶋健男氏より、台湾では漢字は、昔の日本と同様、旧字体だということを教えていただきました。今の日本では漢字の旧字体が失われてきているので、日本書紀や古事記に関する論文を台湾で印刷する場合もあるということです。中国で略字体にしたのは共産党の時代になってからですから、中国から台湾に逃れた国民党が旧字体を守り続けているのは当然のことかもしれません。
 DSCN9651.JPG 写真は三嶋氏から以前いただいた「万葉集 本文編」です。漢字ばかりが並んだ本文に、読み仮名が振られているものですが、むろん漢字は旧字体です。三嶋氏は台湾の大学で一年間教えられ、その際、呉建堂氏の創設した「台北歌壇」にも参加なさいました。呉建堂氏は孤蓬万里という名で、「台湾万葉集」を出版され、大いに評判になりました。大岡信氏が朝日新聞に連載されていた「折々のうた」でも取り上げられました。それだけ台湾では短歌人気が高いわけです。
 なお、目下、巻雲誌の次号の編集に取りかかっていますが、三嶋氏は、「台湾に於ける短歌」と題する文章を掲載される予定です。この文章で、戦前から戦後、現在に至る台湾と短歌との関わり、台湾の歌壇の動きについて、詳しく述べられており、私自身、大いに勉強させてもらいました。また拙ブログで内容を紹介したいと思っています。

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