テーマ:漫画探訪

漫画探訪17  横山光輝「三国志」2 黄巾の乱 劉備の人徳と和尚の死の微笑

 60巻に及ぶ横山光輝の「三国志」の最初は黄巾の乱です。その頭領の張角は教祖的な存在であり、漢の乱れた世を直すと言う意味で作られた団体で、当時の腐敗した状況をなんとかしたいという農民たちの不満がそれに凝縮した形です。彼らは黄色のきれを頭にゆわえましたが、旗には「蒼天已(すで)に死す 黄夫当(まさ)に立つべし 歳甲子に在りて 天下大吉」と…
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漫画探訪16 横山光輝の世界2 「史記」の虞美人の死 ・「三国志」1 貂蝉(ちょうせん)の犠牲

 横山光輝の漫画は絵が整然としてきめ細やかなものであり、かつての白土三平に代表されるような荒っぽい感じの劇画タッチではありません。しかし、横山光輝の中国歴史ものは戦いの場面がリアルに描かれていますから、むろん残酷な描き方も時おりされており、目を背けたくなるような場面がないとは言えませんが、それほどこだわらずに読み進むことができます。 …
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漫画探訪15 手塚治虫作品とディズニー作品の共通点・相違点2 

 手塚治虫作品も、ディズニー作品と同様、子供たちに夢と希望を与えてきました。しかし、全面的な明るさではありません。手塚も人魚姫を主人公にした「エンゼルの丘」という作品を書いていますが、そのラストは悲劇的です。彼女らのすみかであるエンゼル島が噴火と共に沈む際、彼女も島と運命を共にします。彼女らがどこかで生きているのを信じるという台詞が最後…
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漫画探訪14 手塚治虫作品とディズニー作品との共通点・相違点1

 ディズニーは動物を主人公にしたキャラクターをたくさん生み出しています。ミッキーマウス、ミニー、ドナルドダック、ダンボなどなど。手塚治虫は父親が手に入れたディズニーの短編の八ミリ映画を子供の頃から見ていたこともあり、その世界に親しんで大きな影響を受けています。手塚漫画に動物を主人公にしたものが多いのもその表れです。  逆に、ディズニー…
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漫画探訪13 横山光輝の世界1 「伊賀の影丸」

 今、横山光輝が描いた「三国志」全60巻を読み直しています。漢の終わりから三国時代までの、各地の武将たちの活躍と、その複雑な動きを丹念に描いた壮大なドラマであり、息を呑む展開に引き込まれてしまいます。  横山光輝は後半生は中国の歴史を舞台にした漫画をたくさん描きましたが、私が子供の頃には「鉄人28号」と「伊賀の影丸」に夢中になりました…
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漫画探訪15 「手塚治虫にとっての重い体験」2

 虫プロの倒産、巨額の負債は手塚治虫に少なからぬ影響を及ぼしました。もっとも、手塚治虫は虫プロの倒産の2年前に、社長を辞任して、虫プロは彼のアニメだけではなく、他の作家のアニメも扱う独自路線を歩み始め、彼の手を離れていました。しかし、虫プロは彼の原点であり、アニメへの情熱を現実のものとするため、それまで漫画で得た収入を惜しげもなくその事…
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漫画探訪14 「手塚治虫にとっての重い体験」1

 手塚治虫にとって、生涯を左右する大きな重い体験が二つありました。それが、人間の心や社会に潜む闇の部分に対する深い理解につながったと思われます。  その一つが、昭和20年の大阪大空襲でした。彼はこの時、旧制の中学生でしたが、戦争中で授業どころではなく、勤労動員と言って、軍需工場で働かされる毎日でした。大阪は終戦を迎えるまで、アメリカの…
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漫画探訪13 「手塚治虫作品における悪の系譜について」3 「七色インコ」

 「七色インコ」は泥棒ですが、その一方でどのような演劇のどのような役であっても、超一流に演じることができる役者でもあります。どのような役でもこなせるということは人の真似をしているばかりで、自分がないという証拠でもあり、そのことで彼は悩みもしますが、泥棒をすることで、自分のアイデンティティを保っているわけです。それはむろん感心した行為では…
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漫画探訪12 「手塚治虫作品における悪の系譜について」2 「バンパイヤ」のロック

 「バンパイヤ」のロックこと、間久部緑郎はパンパイヤたちと組んで、世界を征服しようと考え、自分の野望を満たすべく、殺人も平気で行ってしまいます。バンパイヤとは、狼男のように、普段は人間の姿をしていますが、何かの条件を満たすと、動物に変身するという種族です。バンパイヤたちに革命を起こさせ、人類を動物に戻そうというロックの目論見は寸前のとこ…
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漫画探訪11 「手塚治虫作品における悪の系譜」1 「MW」の結城

 手塚治虫の漫画の主人公は正義の味方だけではなく、いわゆる悪人を描いた作品も少なくありません。その中でも悪の権化の代表格は「MW(ムウ)」の結城です。  結城はかつて子供の頃、沖縄の小島で密かに開発されていたMWという毒ガスを浴びて大脳を冒され、良心やモラルのかけらさえなくしてしまいます。大人になった彼は、表向き模範的な銀行員を演じな…
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漫画探訪10 手塚治虫  静止画を動的に見せる工夫

 手塚治虫は漫画という静止画を動的に見せる斬新な工夫を行っていますが、その具体例を一つ示します。  「やけっぱちのマリア」の中の見開き二ページに次のような場面があります。右のページでは、主人公のやけっぱちとヒゲオヤジが派手にけんかをするところを描いていますが、2人の争いの激しさをあらわすのに、敢えて漫画のコマの枠を破って四コマを費やし…
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漫画探訪9 手塚治虫作品における演劇の影響について

 手塚治虫は小さい頃から宝塚歌劇をよく見ていました。彼が生まれたのは豊中ですが、育ったのは宝塚であり、彼の家の隣りは宝塚歌劇団のスターの家ということもあって、歌劇とは縁が深かったのです。  彼の作品には、同じキャラクターがたびたび登場します。ヒゲオヤジ、ロック、ハムエッグ、下田警部(しばしば下駄の顔になります)、ランプ(頭の後ろにろう…
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漫画探訪8 手塚治虫作品における映画の影響について

 手塚治虫は子供の頃から映画によく接していました。それは彼の父親が家庭用の映写機で日本や外国のアニメを見せてくれていたからです。昭和初期にあって、珍しくモダンな父親であったわけであり、手塚治虫にとってはこの上なく恵まれた環境であったと言えます。ディズニー映画にもこういう形で早くから出会っており、彼の作品に動物たちがさかんに登場してくるの…
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漫画探訪7 手塚治虫「アトムの哀しみ」

 6月のプログで以前に書いた「アンパンマン分析」を紹介しましたが、手塚治虫分析についても紹介してゆきたいと思います。  手塚治虫分析を行うようになったきっかけは、以前勤めていた工業高校の国語の授業で手塚治虫が書いた文章「アトムの哀しみ」を取り扱ったのがきっかけでした。その文章が教科書に載っていたのですが、その中で手塚治虫は、彼の代表作…
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漫画探訪6 アンパンマン分析6 「手のひらを太陽に」の歌詞

 やなせたかし氏は、「手のひらを太陽に」の作詞者でもあります。この歌詞には生きているものすべてに対する暖かい目が現れており、生きているのは人間だけでなく、みみずもおけらも同じであってみんな友達だと言っています。人間だけが素晴らしく、他の生物のことはかえりみない人間至上主義とはおよそ正反対の考え方であり、それは生けとし生けるものすべてに仏…
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漫画探訪5 アンパンマン分析5 主題歌の歌詞に見られる原作者の思想

 原作者の思いが端的に表れているのが、お馴染みの「アンパンマン」のテーマソングの歌詞です。人間何もしないでは、目的を持たなければ、人生に空しさを覚えるだけであり、アンパンマンも人生の意味を見つけるために行動するのです。困った人を助け、人のために尽くすことで、生きる喜び、充実した生が味わえると言っています。愛と勇気が友達の、正義の味方の主…
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漫画探訪4 アンパンマン分析4 「フランケンシュタイン」も原点

 原作者にあんパン体験があり、スーパーマンも念頭にあったと言いましたが、パンに命を与えるという発想自体は、彼が中学校時代に見た映画「フランケンシュタイン」から得たと言います。死んだものにフランケンシュタイン博士が命を与えるという内容に作者は強いインパクトを受け、それがアンパンマンという形となって現れたのです。フランケンシュタイン博士に当…
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漫画探訪3 アンパンマン分析3 原作者にとってあんパンはご馳走

 原作者のやなせたかし氏は現在88歳ですが、アンパンマンというキャラクターを発想したのは30代半ばだったものの、アンパンマンの絵本はなかなか売れず、アンパンマンにとって不遇の時代が長く続きました。アンパンマンが顔をちぎって与えることやパワーが落ちて空から落ちることが残酷だと幼稚園の先生から苦情も来たそうですが、確かに顔がちぎられたアンパ…
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漫画探訪2 アンパンマン分析2 甘くて弱い正義の味方

 アンパンマンは他のヒーローと違って、絶対的に強いという存在ではなく、武器も持ちませんし、悪をやっつけるためには「アンパンチ」という腕力を使うだけです。アンパンでできているだけに、甘くて弱い部分があり、バイキンマンにすぐだまされてしまいますし、自分の顔をちぎって子供に食べさせると、力が落ちて別の顔をジャムおじさんに作ってもらう必要がでて…
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漫画探訪1 アンパンマン分析1 ドキンちゃんは恋の両面性を表した存在

 私の娘が小学校に入学するぐらいまでは、さかんに「アンパンマン」というアニメを見ていました。同じものを何度もビデオで繰り返し見るものですから、いやでも私もそのアニメを見るはめになったのですが、それをきっかけにして、「アンパンマン」についていろいろ考えさせられました。  前の職場の工業高校で文化祭に図書委員が中心となって代々人形劇を演じ…
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